そう、僕達は夢の中で初めてのデートをする。
あの真っ暗闇に光り輝く南十字星を見るふりをしながら
君と僕は初めて固く抱き合ってキスをしたよね。
光のピラミッドを眺めながら二人で並んで歩く。
本当に今でも頭に残っている気がする。
でもね、僕はもう覚えていないんだ。
忘れられない、忘れたくない。
心に閉まっておけばいいのかもしれないけれど
我慢できなくて書いている。
あの抱擁とキスは忘れようとしてもふと思い出す。
僕の気持ちは高揚していたと思う。
君との抱擁とキスは今思うと限りなく切なかった。
君の存在を抱き合うことで確かめるような包容。
幸福感を忘れないようにキスで埋めるようなキス。
そんな気がする。
絵を描くことが大好きな君に届けたい。
美術の時間に恥ずかしげもなく、
ひたすら夢中に彼の絵を描いていた淫乱な君に届けたい。
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